ウイリアム・ハーベー





William Harvey(1578-1657)

ようこそ!フリーイラストポートレートと

歴史の停車場いらすとすてーしょん
こちらのページでは ハーベー 17世紀に活躍した

世界の医学者
⑦をお楽しみください

ハーベー
イラストポートレート Syusuke Galleryより

17世紀の西洋医学

(参考)16世紀以前に活躍した世界の医学者たち

(参考)17世紀に活躍した世界の医学者たち

(参考)18世紀に活躍した世界の医学者たち

(参考)19世紀に活躍した世界の医学者たち

17世紀のヨーロッパといえば…

シューちゃん

今回の医学者はウイリアム・ハーベーだね

館長

今回の"いらすとすてーしょん"では医学の部屋より17世紀に活躍した世界の医学者と題してイラストポートレートをお届けします

館長

以前のニコラウス・ステノページで、シューちゃんより17世紀ヨーロッパの印象を伺っていますので、ぜひこちらもお立ち寄りください

1638-1686を生きた医学者、解剖学者、博物学者でありカトリック司教。コペンハーゲン大学で医学教育を受けた後、ライデン大学で学位を取得。解剖学分野に長け、耳下腺から口腔に唾液を運ぶ管を発見し、この耳下腺管はステノン管と呼ばれている。その後イタリアフィレンツェにて博物学(地質学)研究でその才能を発揮した。その後、ルターの宗教改革を受けカトリックに改宗、神学を学びドイツのカトリック信仰に努めた。
【医学の部屋|ステノ】17世紀に活躍した世界の医学者①
シューちゃん

そして17世紀のヨーロッパ医学に着目すれば…

シューちゃん

人体の解明と医学教育だったよね
※いらすとすてーしょんの視点です

人体の解明と医学教育

館長

では今回も17世紀医学分野における人体の解明と医学教育について綴ります

館長

まず人体の解明の解明といえば…

館長

16世紀中頃、1543年に著されたヴェサリウス(1514-1564)のファブリカを起源としますと…
※University of Basel HPより

1514-1564を生きた医学者。2世紀ガレノスによって興った解剖を、De Humani Corporis Fabrica Libri Septem(1543年)によって解剖を学問レベルに引き上げた。その詳細な解剖図はガレノスの学説からの転換期となる。その後カール5世の侍医などの要職をつとめた。その解剖学の先鋭眼は当時の医学界に大きな衝撃を与え、風当たりも強かったとされる。 それらの背景には16世紀に発展した印刷技術によりガレノスの著作物に触れる機会が多くなったことが挙げられる。またこの当時の解剖学の先駆者としてはレオナルド・ダ・ヴィンチが挙げられ、その解剖図は数百とも言われ臓器図も描かれている。
【医学の部屋|ヴェサリウス】16世紀以前に活躍した世界の医学者④
館長

17世紀は様々な臓器や細胞レベルの観察まで広がっていった時代でした

館長

そして医学教育分野では…

館長

イタリア・パドヴァ大学でファブリツィオ(1537-1619)がその起源にあるように感じます
※または、ヒエロニムス・ファブリキウス、ジローラモファブリチ ダックアペンデンテという名で知られています
2024年4月30日公開

1537-1619を生きた医学者。パドヴァ大学で医学を学びその後解剖学の分野で活躍。特に先行研究であったエチエンヌ(1504-1564)の発見した静脈弁について、その機能や形状について正確に報告を行った。この研究は、弟子であったハーベーに受け継がれ血液循環説が提唱された。また発生学の分野では動物の胎児形成の研究を行い、この内容もハーベーが引き継いでいる。
【医学の部屋|ファブリツィオ】17世紀に活躍した世界の医学者⑧
館長

そのファブリツィオの教え子、ヘルニウス親子によって医学教育の芽は、オランダ・ライデン大学で受け継がれて…
※父ヨハネス(1543-1601)、子オットー(1577-1652)

館長

そしてシルヴィウスによって発展しました
2024年4月28日公開

1614-1672を生きた医学者。ライデン大学でヘルニウス(親子)が始めたベッドサイドトレーニング(BST)を受け継ぎ、医学教育に力を入れ、同時に脳解剖の分野で功績を残し、医学における基礎と臨床の両立を推進した。1628年にハーベーによって提唱された血液循環論を支持したことでもその名を刻んでいる。
【医学の部屋|シルヴィウス】17世紀に活躍した世界の医学者⑥

ウイリアム・ハーベーの功績

シューちゃん

その中で、今回はウイリアム・ハーベーはどんなことをしたの?

館長

ウイリアム・ハーベーはファブリツィオに師事し、彼が解剖学のなかで発見した静脈弁の存在を理解しようと研究に励んでおられました

シューちゃん

静脈弁ね…

館長

それまではガレノス(129c.-200c.)が説いたように動脈と静脈がつながっているとは考えれていなかったのです

館長

つまり血液は全身を巡って心臓に戻ってくるとは無いと、考えられていました

シューちゃん

人体解剖も多くされていた時代にあっても血液は全身を巡ってもどってくるとは考えられていなかったってことか…

館長

そうなのです!シューちゃん

館長

でも人体解剖で体の構造がわかっていく過程にあって、辻褄が合わないことが多く出てくるのです

解剖学の視点から得た血液循環説

シューちゃん

そこでハーベーは、解剖学の視点からいろいろ考えたのだね

館長

ハーベーは静脈になぜ弁がついているのかを問い続けます

シューちゃん

確かに血液が静脈と通じて心臓に戻るためには、その静脈に弁がないと逆流しちゃうからね…

館長

そのことにハーベーは気がつきました

シューちゃん

そのことを記したのが1628年De Motu Cordis だね
※Internet Archiveより

館長

血液循環説として発表したのですが…受け入れられることは数少なかったでそうです

シューちゃん

そんな中でもシルヴィウスのように早い段階から血液循環説を支持する医学者もいたのだろうけどね…

1614-1672を生きた医学者。ライデン大学でヘルニウス(親子)が始めたベッドサイドトレーニング(BST)を受け継ぎ、医学教育に力を入れ、同時に脳解剖の分野で功績を残し、医学における基礎と臨床の両立を推進した。1628年にハーベーによって提唱された血液循環論を支持したことでもその名を刻んでいる。
【医学の部屋|シルヴィウス】17世紀に活躍した世界の医学者⑥

血液循環説の証明は1661年

館長

この血液循環説が証明されたのはハーベーの亡くなった約4年後の1661年、マルピーギの研究によってでした

シューちゃん
館長

シューちゃんの指摘通り、マルピーギの毛細血管の発見によって、動脈と静脈が末梢で繋がっていること突き止められて、この議論に終止符が打たれました

シューちゃん

ハーベー生きていれば、さぞ喜んだだろうな…

館長

この発見は師ファブリツィオが、解剖学者として静脈弁を発見したからこそ発見につながりました

師から受け継いだもう一つの研究

館長

そしてハーベーは、もう一つ師ファブリツィオから引き継いだ研究があります

シューちゃん

もう一つとは

館長

発生学です

シューちゃん

そこには何が書かれているの?

館長

動物の体は初めから形成されていないことを唱えます

館長

そこには名言が記載されています

館長

「すべての動物は卵から生ずる」と

シューちゃん

ハーベーは師ファブリツィオの研究をものの見事に大成させたんだね

館長

ハーベー解剖学の知見から血液循環説を見出し、そして観察研究から発生学を切り開いた偉大な医学者だったと感じます

次回はファブリツィオ

館長

さて、17世紀に活躍した世界の医学者⑦ハーベーは如何でしたか?

館長

いらすとすてーしょんでは医学の歴史を彩ってきた偉人たちを…

館長

これからもご紹介していきます

館長

どうぞお楽しみに!

シューちゃん

次回はハーベーの師であったファブリツィオを取り上げるよ

1537-1619を生きた医学者。パドヴァ大学で医学を学びその後解剖学の分野で活躍。特に先行研究であったエチエンヌ(1504-1564)の発見した静脈弁について、その機能や形状について正確に報告を行った。この研究は、弟子であったハーベーに受け継がれ血液循環説が提唱された。また発生学の分野では動物の胎児形成の研究を行い、この内容もハーベーが引き継いでいる。
【医学の部屋|ファブリツィオ】17世紀に活躍した世界の医学者⑧
館長

今回の17世紀に活躍した世界の医学者⑦の制作には「医学の歴史(1964)」中公尾新書発行を参考図書として用いております

17世紀に活躍した世界の医学者たち

2024-05-230032ベルギー王国出身

【医学の部屋|ヘルモント】17世紀に活躍した世界の医学者⑨

2024-04-300039イタリア共和国出身

【医学の部屋|ファブリツィオ】17世紀に活躍した世界の医学者⑧

2024-04-280049ドイツ連邦共和国出身

【医学の部屋|シルヴィウス】17世紀に活躍した世界の医学者⑥

2024-04-270039イタリア共和国出身

【医学の部屋|マルピーギ】17世紀に活躍した世界の医学者⑤

2024-04-260044英国出身

【医学の部屋|ウィリス】17世紀に活躍した世界の医学者④

2024-04-250044英国出身

【医学の部屋|シデナム】17世紀に活躍した世界の医学者③

2024-04-240099386スロベニア共和国出身

【医学の部屋|サントーリオ】17世紀に活躍した世界の医学者②

2024-04-230045デンマーク王国出身

【医学の部屋|ステノ】17世紀に活躍した世界の医学者①

医学・新着偉人(It's New)はこちらから

0032ベルギー王国出身
1579-1644を生きた医学者であり化学者。パレケルススの化学に基づいた理論で人体の機能を解き明かす医療化学の分野を進めた。四元素や体液説など古代医学を論駁し、また空気とは異なる気体の存在を見出し、この気体をガスと命名し、その概念を明らかにした。
【医学の部屋|ヘルモント】17世紀に活躍した世界の医学者⑨
0049ドイツ連邦共和国出身
1659-1734を生きた医学者であり化学者。 1708年生理学と病理学からなる医学理論書Theoria medica veraを著し、生物にはアニマという非物質が存在し、生命活動を営むとしたアニミズムを提唱した。そしてその理論は、ドイツ哲学者ライブニッツ(1646-1716)が提唱した生気論を牽引した。また化学の分野では、特にZymotechnia Fundamentalis(科学の基礎・1697年)にて、燃焼について酸化の考えにつながるフロギストンという物質をアリストテレスにより広く支持された四元素説に加え唱えた。
【医学の部屋|シュタール】18世紀に活躍した世界の医学者Ⅺ
0098イラン・イスラム共和国出身
865-925を生きた医学者。9~10世紀のイスラム王朝(アッバース朝)に医学、哲学など幅広い分野でその名を刻んだ。天然痘と麻疹の臨床所見の違いを示すなど、特に医学分野でその名を馳せている。
【医学の部屋|ラーズィー】16世紀以前に活躍した世界の医学者⑥
0033フランス共和国出身
1298-1368を生きた医学者。ヴェサリウス以前の中世ヨーロッパにおいて、ガレノスによる解剖学を学び、外科医としてその名を刻んだ。1363年には外科指南書となったChirurgia magnaを著し、8章からなるラテン語で描かれたこの書は外科医のバイブルとなった。黒死病(ペスト)に立ち向かった医師としても記憶されている。
【医学の部屋|ショーリアック】16世紀以前に活躍した世界の医学者⑤

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