宇田川玄真





Genshin Udagawa(1770-1835)

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歴史の停車場いらすとすてーしょん
こちらのページでは 宇田川玄真 ビフォーアフター

解体新書編⑥
をお楽しみください

宇田川玄真
イラストポートレート Syusuke Galleryより

解体新書前後史

シューちゃん

この特集でお届けしている解体新書編の医学者たちだよ↓

ビフォーアフター解体新書編

山脇東洋
1706-1762
2024年4月8日公開
1706-1762を生きた医学者。
前野良沢
1723-1803
2024年4月9日公開
1723-1803を生きた医学者。
杉田玄白
1733-1817
2024年4月10日公開
1733-1817を生きた蘭方医は若狭国小浜藩医。手に入れたオランダ語医学書『ターヘル・アナトミア』を前野良沢らと共に翻訳し日本初の解剖学書である「解体新書」を著した。
大槻玄沢
1757-1827
2024年4月11日公開
1757-1827を生きた蘭方医は杉田玄白に学び、江戸時代末期の医術を広め解体新書の改訂となる重訂解体新書を完成させた。
宇田川玄随
1756-1798
2024年4月12日公開
1756-1798を生きた津山藩医、漢方学から蘭学へ変更し日本初の内科書『西説内科撰要』を発刊
宇田川玄真
1770-1835
2024年4月13日公開
1770-1835を生きた蘭方医で津山藩医をつとめた。江戸時代のベストセラー医学書「医範提綱」を出版

解体新書のきっかけとなった日本初の人体解剖(1754年)

館長

今回いらすとすてーしょんでは医学の部屋より全6回にわたって、この企画をお届けします

シューちゃん

今回はその6回目となる最終回!

館長

ではシューちゃんとこれまでを振り返えります

館長

まず第1回では、日本初の人体解剖を行った山脇東洋さんを取り上げました

1706-1762を生きた医学者。中国金元時代の医学からの脱却を目指した古方派筆頭の後藤艮山(1659~1733)に師事し、その後同派の大家となる。五臓六腑説に疑問を抱き、ついに1754年幕府の許可を得て日本初の人体解剖を行った。その記録は1759年「蔵志」にて著した。
【医学の部屋|山脇東洋】ビフォーアフター解体新書編①

解体新書出版へ(1774年)

シューちゃん

この人体解剖によって杉田玄白さん前野良沢さんが感化されて、解体新書の翻訳に取り組むきっかけになったんだったよね

館長

そして主にこのお二人によって、ついに…

館長

この解体新書の登場で一気に蘭学が開花するのですが…

蘭学の開花

シューちゃん

その蘭学を学ぶためには蘭(オランダ)語の習得が必要だったんだよね

館長

その蘭語の学び方を示したのが前回の大槻玄沢さんでした

1757-1827を生きた医学者。杉田玄白の門下となり、その後前野良沢より蘭学を学び蘭学塾として芝蘭堂を開校。江戸蘭学の基盤を築いた。解体新書の改訂となる重訂解体新書を完成させている。玄沢の名は師であった玄白、良沢の名をとったものであった。蘭語の指導書として青木昆陽、前野良沢の流れを汲み「蘭学階梯」を1788年に著しており、外国語教育を発展させた一人でもある。
【医学の部屋|大槻玄沢】ビフォーアフター解体新書編④
シューちゃん

そして前回はその大槻玄沢さんの門下になった…

館長

宇田川玄随さんの活躍として、内科学の翻訳に成功したことをお伝えさせていただきました

シューちゃん

つまり18世紀末には、ヨーロッパの解剖学、外科学、内科学が日本に入ってきていたことを意味している

宇田川玄随の養子になった玄真

館長

そして今回は、その宇田川玄随さんの養子となった宇田川玄真さんのご紹介です

シューちゃん

宇田川玄真さんは宇田川玄随さんの養子だったんだね

館長

宇田川玄真さん本名は安岡と言いました

館長

その安岡さんは三重県の生まれで、江戸遊学中に杉田玄白さんや大槻玄沢さん宇田川玄随さんに蘭学を学びます

シューちゃん

特に杉田玄白さん安岡さんの才能を高く買っていたみたいだね

館長

メキメキとその才能を開花させた安岡さん

館長

そんな折に宇田川玄随さんが亡くなられてしまします

館長

宇田川玄随さんには跡取りがいなかったので宇田川家が滅亡してしまう…

シューちゃん

たしか宇田川家は津山藩の侍医をつとめていた名家だったからね…

館長

そこで大槻玄沢さんが機転をきかせて安岡さん宇田川玄随さんの養子にしたのです

シューちゃん

それで宇田川玄真になったんだ!

医範提綱(1805)

館長

その後、宇田川玄真さんは新たな西洋解剖学書を読み漁って医範提綱を著します
※早稲田大学図書館より

館長

そして、この医範提綱は解体新書、重訂解体新書とならび称される日本の解剖学の基礎を築いた解剖学書となったのです

シューちゃん

どんな点が優れていたの?

館長

解剖学だけでなく、生理学や病理学にも言及されていて、多くの医療に携わる先生たちはこぞって、この書で学んだと言われています

館長

そして、この医範提綱には続きがありまして…

銅板解剖図(1808)

館長

日本初の銅板解剖図として52点が1808年に付け加えられたのです
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより

シューちゃん

確かにとてもわかりやすいし精密って感じだな

和蘭薬鏡(1820)、遠西医方名物考(1822)

館長

これにとどまらず宇田川玄真さん和蘭薬鏡※1西医方名物考※2を著して、西洋の薬学を日本に紹介します
※1 京都大学貴重資料デジタルアーカイブより 宇田川榕菴による増補版
※2 早稲田大学図書館より 宇田川榕菴による校補

シューちゃん

このことで、日本における西洋薬物療法の父って考えてもよさそうだね

館長

この紹介は津山洋学資料館HPで詳しく掲載されていますので、ぜひご参考ください!

そして宇田川榕菴へ

館長

この宇田川玄真さんの功績は、その後養子となった宇田川榕菴(1798-1846)さんに受け継がれます

シューちゃん

この宇田川榕菴さんは医学分野だけでなく、日本における植物学や化学の分野の先駆者としても名を馳せているよ

館長

宇田川榕菴さんについても津山洋学資料館HPで詳しく掲載されていますので、ぜひご参考ください!

ビフォーアフター解体新書編⑥まとめ

館長

さて…ここまでをまとめてみましょう

館長

安岡さんは宇田川玄随さんの養子となり宇田川玄真と名乗り、蘭学の分野で活躍されました

シューちゃん

その功績は日本の解剖学をさらに進めた医範提綱を著したことだったよね

館長

そこには日本初の銅板解剖図も取り入れられました

シューちゃん

それに加えて日本に薬学をもたらしたんだったよね

館長

和蘭薬鏡や遠西医方名物考を宇田川玄真さんが著されたことは、日本の薬学の祖とも考えられますね

ビフォーアフター解体新書編①~⑥のまとめ

館長

さて、今回特集させていただきましたビフォーアフター解体新書編はいかがでしたか?

シューちゃん

1744年に登場した解体新書を皮切りに日本の蘭学発展つながったことがよくわかったよ

1723-1803を生きた医学者。40歳を過ぎてから習得したオランダ語力を発揮し解体新書の翻訳を杉田玄白の申し出に同意し尽力した。人と交わることを好まない性格であった。数少ない弟子に解体新書の改訂を行った大槻玄沢がいる。
【医学の部屋|前野良沢】ビフォーアフター解体新書編②
1733-1817を生きた医学者。古方派大家であった山脇東洋の影響を受け医院を開業。蘭学者と交わりながらオランダ語に訳された医学書ターヘル・アナトミア(Ontleedkundige Tafelen)』入手し、前野良沢らを誘い翻訳に取り組み日本初の解剖学書である「解体新書」を著した。門下であった大槻玄沢や宇田川玄真らはその後江戸蘭学を発展させている。
【医学の部屋|杉田玄白】ビフォーアフター解体新書編③
館長

その解体新書の登場には日本初の人体解剖がきっかけだったのですよね

1706-1762を生きた医学者。中国金元時代の医学からの脱却を目指した古方派筆頭の後藤艮山(1659~1733)に師事し、その後同派の大家となる。五臓六腑説に疑問を抱き、ついに1754年幕府の許可を得て日本初の人体解剖を行った。その記録は1759年「蔵志」にて著した。
【医学の部屋|山脇東洋】ビフォーアフター解体新書編①
シューちゃん

そして解体新書が出版されてから蘭学がより注目される

シューちゃん

日本の近代学は西洋医学書の翻訳による見聞とそれによる経験からスタートしていたのだね!

館長

そして近代医学の波はこの人の出現さらに高くなっていきますよ

シューちゃん

今度は誰が登場するの?

館長

そのお方とは…シーボルトさんです

シューちゃん

確かシーボルトさんは以前に緒方洪庵さんのページで登場しているよね

1810-1863を生きた近代医学の祖は天然痘と闘い、大阪に適塾(大阪大学医学部の前身)を開き人財育成を行う。
【医学の部屋|緒方洪庵】去る天然痘!来るサル痘? ワクチン大規模接種は江戸時代から!?
館長

そうなんです!そして次の特集を企画しました

館長

それは…ビフォーアフター P.F.シーボルト編です

シューちゃん

次回もどんな前後史があるのか楽しみだ!

館長

さて、今回は江戸時代の解体新書がもたらしたビフォー&アフターの視点から宇田川玄真を取り上げました

館長

いらすとすてーしょんでは医学の歴史を彩ってきた偉人たちを…