ジュゼッペ・ヴェルディ

Giuseppe Verdi

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こちらのページでは【音楽家の部屋|ヴェルディ】19c.伊オペラ作曲家⑤をお楽しみください
※ヴェルディ作品Rigoletto(1851)以降をとりあげました

ヴェルディイラストポートレートSyusuke Galleryより )

シューちゃん

この特集でお届けしている作曲家はこちら↓

19世紀イタリアオペラ作曲家⑤

シューちゃん

19世紀イタリアオペラ作曲家は第5回目

これまでの振り返り

館長

では、ここまでの振り返りをシューちゃん、お願いします

シューちゃん

前回はヴェルディさんの1847年ごろまでの前期の活躍を追ったよ

1813-1901を生きたイタリアオペラ作曲家。自身3作目となる演目ナブッコの斬新的な旋律でまずはミラノ市民を魅了、その後イタリア統一運動の機運と相まってイタリア全土に支持され象徴的存在になる。このナブッコの第3幕2場で歌われる「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」は第二のイタリア国歌と位置付けられ、その作者であるヴェルディはオペラ王と今も称えられている。
【音楽の部屋|ヴェルディ】19c.伊オペラ作曲家④
館長

グランド・オペラの初作品となる"エルサレム"(1847)までご紹介しました

シューちゃん

ちなみに19c.イタリアオペラの第1回目はロッシーニさん

1792-1868を生きた初期ロマン派時代のオペラ界をリードした売れっ子作曲家。作曲の特徴は同じフレーズを徐々に音量を増やしながら繰り返し聴衆を魅了する。また彼の名を世界に今もなお響かせているのは美食家としての一面。特にフォアグラやトリュフを組み合わせた料理はロッシーニ風として今も食卓を彩っている。
【音楽の部屋|ロッシーニ】19c.伊オペラ作曲家①
シューちゃん

そしてドニゼッティさん、ベッリーニさんと続いたよね

1797-1848を生きた作曲家。ロッシーニ、ベッリーニらとベルカント・オペラで活躍。ロッシーニの後継者としてナポリに移り、オペラ・ブッファ・セリアなどジャンルに拘らず多くのオペラを手がけた。1830年にライバル、ベッリーニと共にミラノで開催された祭典に参加、そこで上演したAnna Bolenaが大成功し、ドニゼッティの名は国際的となる。その成功にはライバル、ベッリーニの作風が影響していたとされる。その後1840年に初演されたグランド・オペラLa favoritaを手がけた。そしてドニゼッティ作品はその後のヴェルディへと受け継がれる。
【音楽の部屋|ドニゼッティ】19c.伊オペラ作曲家②
1801-1835を生きた作曲家。ロッシーニ、ドニゼッティらとベルカント・オペラで活躍。ナポリで音楽を学び、興行師バルバイアにその才能を見いだされミラノ・スカラ座をはじめ様々な劇場で活躍。その作品のほとんどはオペラ・セリア分野であった。 歌詞と緊密に対応した表現力ゆたかな旋律書法はヴェルディや(Richard)ヴァーグナーに影響を与えたとされる。33歳で早世。
【音楽の部屋|ベッリーニ】19c.伊オペラ作曲家③

全6回の5回目はヴェルディの中後期にフォーカス

シューちゃん

そして今回はヴェルディさんの続きとしてRigoletto(リゴレット)、Il trovatore(トロヴァトーレ)、 La traviata(椿姫)からスタートしよう

館長

ヴェルディさんの代表的なこの3部作はよく「Trilogia popolare」と呼ばれますよね

ヴェルディの中期作品

シューちゃん

ではRigoletto(リゴレット)、Il trovatore(トロヴァトーレ)、 La traviata(椿姫)を順番にみてみよう

ヴェルディ作 Rigoletto(1851)

シューちゃん

まずはこのリゴレットについて、館長の感想は?

館長

愛娘ジルダの父リゴレットの複雑な心情が見事に表現されていると感じます

館長

その表現方法は、歌い手の表現力に加えて、見事にオーケストラとの相乗効果で舞台への没入感を一層高めていると思います

シューちゃん

リゴレットの娘への愛情と悲劇的な運命に飲み込まれるって感じ?

館長

そうですね!親子の運命に吸い込まれる感情移入はありますよね

シューちゃん

次はトロヴァトーレ!

ヴェルディ作 Il trovatore(1853)

シューちゃん

先ほどのリゴレット続けて、トロヴァトーレについての館長の感想は?

館長

トロヴァトーレも圧倒的なアリアや合唱が印象的ですよね!

シューちゃん

確かに、登場人物たちの複雑な愛憎劇が歌い手によって舞台に引き込まれる作品だね

館長

この作品はスペインを舞台にジプシー親子の伯爵への復讐劇、その愛と憎しみの物語に没入するような音の効果が絶妙です

シューちゃん

三部作のトリは椿姫!

ヴェルディ作 La traviata(1853)

館長

今度はシューちゃんに、この作品の感想を伺いましょう

シューちゃん

前作に負けじと劣らないというか、舞台に吸い込まれるような構成、そして豊かなアリアで、さすがヴェルディ作品って感じ

シューちゃん

でもね…

シューちゃん

実はこの作品が初演された1853年、ヴェルディさんは「大失敗だ」と叫んだって言われている

館長

観客は拍手喝采の大満足だったみたいですが…

シューちゃん

その失敗とヴェルディさんが感じた原因はどうも主役のヴィオレッタ役をつとめたFanny Salvini-Donatelliさん(1815-1891)に対してだったみたい

館長

彼女の歌声は観客を魅了して興行収入も多くあったみたいですけどね

シューちゃん

ヴェルディさんはそのドナテッリさんが自分のイメージしたヴィオレッタ役を演じていないと思ったらしいんだ

館長

どういうことですか?

シューちゃん

これまでの作曲家は歌い手に合わせて曲を当てることが普通だった

シューちゃん

たとえばロッシーニさんは歌い手に一番あう作曲をアレンジして提供していた

館長

と、いうことはヴェルディさんは…

シューちゃん

自身が作曲した音楽に歌手が合わせるべきだと主張したってことかな

館長

なんとなく、それが普通のような感じがしますけど…

シューちゃん

それがヴェルディさん以前は、例えばロッシーニさんまではそうでないことが多かったみたい

館長

つまり作曲家が歌い手を引き立たせるのではなく、歌い手が作曲家の意図を汲み取ることを求めたということですか?

シューちゃん

それがヴェルディさんの目指していたことなんだろう

シューちゃん

ヴェルディさんはいままで以上に作曲家という職業のランクを最高レベルまで押し上げた作曲家と言えるかもね

シューちゃん

そして現在も多く上演されるヴェルディ作品

館長

そのヴェルディさんの作品中心のオリジナリティの想いが今でも伝わるこからこそ、現在も各地で支持されていると感じました

ヴェルディ後期作品

シューちゃん

そして後期の作品として、いらすとすてーしょんがピックアップした2作品をみてね

ヴェルディ作 Don Carlo(1867)

ヴェルディ作 Falstaff(1893)

ドン・カルロ作品の意義