ジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau
ようこそ!フリーイラストポートレートと
歴史の停車場「いらすとすてーしょん」へ
こちらのページでは【音楽家の部屋|ルソー】
イタリア派で参戦したブフォン論争をお楽しみください
※ルソー イタリア派で参戦したブフォン論争は音楽の部屋よりお届けします
- 1. ルソー イラストポートレート(Syusuke Galleryより )
- 2. 音楽家としてのルソーって
- 2.1. ローザンヌ放浪
- 2.2. ペテン師?
- 2.3. 自伝Les Confessions
- 2.4. 日本では森鴎外が翻訳
- 2.5. 島崎藤村登場
- 2.6. 一路パリへ
- 2.7. ダランベール
- 2.8. 百科全書の音楽部門を担当
- 2.9. Dictionnaire de musique
- 2.10. 奥様女中パリで大ヒット
- 2.11. フランス・オペラ派ラモー登場
- 2.12. ブフォン論争
- 3. ブフォン論争
- 4. 音楽家・新着偉人(It's New)はこちらから
- 5. 音楽家の部屋へようこそ
- 6. いらすとすてーしょん検索コーナー
ルソー イラストポートレート(Syusuke Galleryより )
音楽家としてのルソーって
今回はルソーさんのイラストポートレートをお届けしました
そのルソーさんは哲学的思想や文学などあらゆる顔をもつ知識人でした
その中で今回は音楽家としてのルソーさんに迫ってみます
ここからはシューちゃん、お願いします
ローザンヌ放浪
ルソーさんは青年期にスイスを放浪
ペテン師?
そのローザンヌではフランス出身の音楽家と偽り
音楽指導や音楽会を模索していたんだって
ルソーさんは音楽教育を受けていたのですか?
音楽に関心はあったみたいだけど
片手間だったみたい
それでローザンヌで音楽家として成功したの?
いやいや、館長
そんなに世の中あまくない
ボロが出て大失敗
虚言癖も多かったみたいで、半分ペテン師だったかも?と思うほどような人生を送っていたみたい
自伝Les Confessions
それってルソーさんの自伝Les Confessionsに書かかれているのですよね?
そうそう!
このLes Confessionsはルソーさんが亡くなった後、1813年に完全版として出版されている
日本では森鴎外が翻訳
原著は立教大学デジタルライブラリ でもご覧いただけるようです
そのLes Confessionsを「告白録」として森鴎外さんが1891年に翻訳しているよ
【医学の部屋|森鴎外 Ogai Mori】本日2022年7月9日没後100年
島崎藤村登場
わたしはこの鴎外せんせが翻訳された告白を読み漁りました
【文壇発見】「島崎藤村」自然主義文学の話ですが…第二話
まさか、自然主義文学の島崎藤村が登場するとは思ってもみなかった…
一路パリへ
シューちゃん、今回はルソーさんと音楽に焦点を充てたいのだけど…
では、話を戻して
そんな転々とした人生を歩んでいたルソーさんは、運良くパリ行きの機会を得るらしい
そこではじめて音楽など独学で真面目に勉強したんだって
ルソーさんは心を入れ替えたかどうかは定かではないけど
独学を続けるうちに、それらしくなってきて
交友関係も広がり…
ダランベール
その中にダランベールという数学者がいたんだ
ダランベールさんは数学者で、確か百科全書に編纂もされていましたね
【数学者の部屋|ダランベール】博識の方程式
そのとおり!
ダランベールさんは百科全書というフランスの百科事典の編纂をしていて
百科全書の音楽部門を担当
その音楽パートをルソーさんに依頼するんだ
百科全書音楽パートを任されたのは1749年ごろだったみたい
Dictionnaire de musique
この執筆のおかげで、そののちの1767年にDictionnaire de musiqueを書き上げることができました
ルソーさんによって書かれた音楽辞典(Dictionnaire de musique)はINTERNET ARCHIVE でみることができます
それから百科全書へは音楽以外にも政治や経済の分野にも百科全書で関わっていたみたい
ルソーさんは多くの顔をもっていたのですね
さて話は戻して、百科全書音楽を担当していた最中の1752年に…
奥様女中パリで大ヒット
奥様女中というオペラがパリで大人気になるんだ
ペルゴレージさんの代表作La serva padronaですね
【音楽の部屋|ペルゴレージ】ブフォン論争の原点
ルソーさんはこの奥様女中を大歓迎
イタリア歌劇オペラ・ブッファとしてこの作品は、情熱的な表現が素晴らしいと心の底から絶賛したんだ
そのルソーさんの主張に真っ向から対立したのが…
フランス・オペラ派ラモー登場
フランス古来のオペラを恋してやまない、わたしでした
【音楽の部屋|ラモー】フランスオペラを愛した作曲家
↑フランス古典主義音楽の第3世代を牽引されたラモーさんについて紹介していますので、ぜひお立ち寄りください
ブフォン論争
やがてイタリア・オペラ新派のルソーさん vs フランス・オペラ古典派のラモーさんの全面対決となるブフォン論争が勃発
この論争はフランス国を二分するほどまでに発展したのですよね
ラモーさんのページでも綴っているけど、ここでもブフォン論争を紹介するね
ブフォン論争を一言でいうとフランス歌劇を守る正統主義側に立ったラモーさんと、イタリア音楽擁護の百科全書派側に立ったルソーとの文化的論争
ではどんな論争だったのか…いらすとすてーしょん風に綴るね
- ラモーの立場
- わたしは伝統的なフランス音楽の擁護者であって、イタリア歌劇を受け入れてはだめ、だからこそフランスの歌劇の伝統的な価値を推進しよう
- ルソーの立場
- わたしはイタリア歌劇は情熱的な表現が素晴らしいから、フランスにその感情豊かで生き生きとしたイタリア歌劇を推進するべきだ
- 論争の拡大
- ラモーとルソーの主張は激しく対立して、その論争は国内中の文化や芸術、文学などあらゆる分野にまで広がった
- 論争の拡大
- まさに国内を二分する論争で伝統と革新、古典主義と新しい文化芸術が燃えたぎっていた
- 結果
- オペラ・コミックという新しいフランスオペラが誕生することになった
この論争からフランス音楽は新たな門出となる
そしてその当人であったルソーさんは…
このころを境に音楽から…
論説や文学を通じた社会に訴えかける活動にシフトしていく
それが日本の明治期に…
中江兆民や島崎藤村に影響を与えるのですね
いかがでしたか?
今回の音楽家としてのルソーさんのご紹介はここまでとさせていただきます
この続きは文学の部屋からお届けしたいと考えています
告白録…楽しみだぁ
今回はジャン=ジャック・ルソーを取り上げさせていただきました
いらすとすてーしょんでは西洋音楽を彩ってきた音楽家を…
これからもご紹介していきます
どうぞお楽しみに!
ブフォン論争
ここでブフォン論争をまとめておくよ
イタリアの影響
1752年、イタリアのオペラ・ブッファ※劇団がパリで公演を行い、これが音楽論争の発端となりました。その中でも上演されたペルゴレージ作曲の「La serva padrona(奥様女中)」は特に物議を醸しました。当時、パリの音楽界はリュリ以来の宮廷音楽である悲歌劇が中心であり、ジャン-フィリップ・ラモーが当時の最高位でした。
※オペラ・ブッファ:軽妙で喜劇的な内容のオペラを指しています
ルソーとグリムの主張
音楽評論家であるジャン-ジャック・ルソーやドゥニ・ディドロ(フランス出身 1713-1784)、およびディドロの友人であったフリードリヒ・メルヒオール、フォン・グリム(ドイツ出身 1723-1807)によって、イタリア音楽の軽やかな旋律を賞賛し、フランスの音楽においてもそのような要素が必要だと主張したことが始まりです。ルソーはフランス音楽に関する手紙※(1753)で、音楽の性格を決定するのは和声ではなく旋律であると唱えて、その旋律は言語の抑揚にもとづいていると説明しました。つまりフランス語は抑揚が乏しいため、フランス語の音楽はやめるべきだと断定しました。
※フランス音楽に関する手紙(立教大学デジタルライブラリ)
結末と文学的影響
この論争はブフォン論争と呼ばれ文壇をも巻き込み、フランス国内を二分する大論争となりました。その結果、この論争がきっかけとなり、荘重な悲歌劇に代わってオペラ・コミックが主流になりました。ラモー派、ルター派の両派の主張は、その後のクリストフ・ヴィリバルト・グルック(ドイツ出身 114-1787)の作品において歩み寄りが模索されて5作目の作品であった1779年のフランス語で書かれた作品「Iphigénie en Tauride」で見事成功を収めました。ブフォン論争は、音楽の方向性や国内の文化的な議論に大きな影響を与え、時代の文学や芸術に進化をもたらしました。
グルック作 Iphigénie en Tauride
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