市川團十郎文を思んで 十二代目市川國士郎丈が平成25年2月3日に近去されました。 謹んで哀悼の意を表します。 国立劇場では昭和43年7月の初出演以来、59回もの歌舞伎公演に御出演いただき、記憶に残る数々の名舞台を見せて下さいました。 平成24年3月、開場15周年記念公演「一谷嫩軍記」の幕切れで、花道の七三へ行った熊谷次郎直実が「今ははや、何思うことなかりけり、弥陀の御国へ行く身なりせは。十六年はひと昔、夢だ、あゝ夢だ」と涙を流すと、「ほろりとこぼす涙の露、柊(ひいらぎ)に置く初雪の日 影に融ける風情なり」と竹本の太夫が情景を語ります。幕が引かれ、三味線の音につれて、熊谷は花道を退場します。これが國十郎丈の国立劇場歌舞伎公演最後の舞台となってしまいました。 ここに、生前のご貢献に対して深甚なる感謝の意を探げ、心よりご宴福をお祈りいたします。 平成25年3月5日 狄立行政法人日本去術文化振興会

市川團十郎文を思んで 十二代目市川國士郎丈が平成25年2月3日に近去されました。 謹んで哀悼の意を表します。 国立劇場では昭和43年7月の初出演以来、59回もの歌舞伎公演に御出演いただき、記憶に残る数々の名舞台を見せて下さいました。 平成24年3月、開場15周年記念公演「一谷嫩軍記」の幕切れで、花道の七三へ行った熊谷次郎直実が「今ははや、何思うことなかりけり、弥陀の御国へ行く身なりせは。十六年はひと昔、夢だ、あゝ夢だ」と涙を流すと、「ほろりとこぼす涙の露、柊(ひいらぎ)に置く初雪の日 影に融ける風情なり」と竹本の太夫が情景を語ります。幕が引かれ、三味線の音につれて、熊谷は花道を退場します。これが國十郎丈の国立劇場歌舞伎公演最後の舞台となってしまいました。 ここに、生前のご貢献に対して深甚なる感謝の意を探げ、心よりご宴福をお祈りいたします。 平成25年3月5日 狄立行政法人日本去術文化振興会

市川團十郎文を思んで
十二代目市川國士郎丈が平成25年2月3日に近去されました。
謹んで哀悼の意を表します。
国立劇場では昭和43年7月の初出演以来、59回もの歌舞伎公演に御出演いただき、記憶に残る数々の名舞台を見せて下さいました。
平成24年3月、開場15周年記念公演「一谷嫩軍記」の幕切れで、花道の七三へ行った熊谷次郎直実が「今ははや、何思うことなかりけり、弥陀の御国へ行く身なりせは。十六年はひと昔、夢だ、あゝ夢だ」と涙を流すと、「ほろりとこぼす涙の露、柊(ひいらぎ)に置く初雪の日 影に融ける風情なり」と竹本の太夫が情景を語ります。幕が引かれ、三味線の音につれて、熊谷は花道を退場します。これが國十郎丈の国立劇場歌舞伎公演最後の舞台となってしまいました。
ここに、生前のご貢献に対して深甚なる感謝の意を探げ、心よりご宴福をお祈りいたします。
平成25年3月5日
狄立行政法人日本去術文化振興会